映画【ランボー/First blood】
クローゼットを整理していたら発見。
ページを繰る手が止まらずに、読みふけっていました。
『一人だけの軍隊』 ディヴィッド・マレル著
シルベスター・スタローン主演の映画、ランボー(First blood)の原作本です。
グリーンベレーとして活躍したベトナム帰還兵が、森林をわが庭のごとく駆け回りながら戦闘を仕掛け、警官隊や州兵の包囲網を脱出、最後には町で・・・
映画では戦闘マシーンのような、わりと感情を抑えた主人公のキャラクターが、原作小説ではがらりと違った形で(感情表現や心理描写が細かく)描かれており、この差異を比べながら読み進めていくと、映画とは全く異なった印象で、なかなか面白いものがあります。
が、原作に沿った場面も映画にもあり、原作を読んでいると「ああ、あのシーンだ」と場面が頭をよぎったりして、その再現性はまたそれで面白いです。
またこの作品、帰還兵が英雄視された朝鮮戦争世代と、正反対に、ならず者あつかいされたベトナム戦争世代の対立もテーマにされており、当時の社会のムードが反映されていた点も興味深く、単なるアクション小説ではなく社会派小説という切り口で読んでも面白くて、一気に最後まで読み進めてしまいました。
余談ですが、映画【ランボー3・怒りのアフガン】で仲間扱いされていたイスラム聖戦士(ムジャヒディン)が、その後アメリカの支援を打ち切られすっかりアメリカの敵になってしまったことには皮肉を感じます。
ちなみに、amazonで中古で買ったこの本、
初版本でした。