腸脛靭帯・大腿筋膜張筋~膝外側の痛みならここを疑うべし~

腸脛靭帯は、大腿外側をおおう、骨稜から骨外側顆まで至る靭帯組織です。

太ももがぶれないように、力が外に逃げないように、タイツのようにテンションをかけています。
そしてこの靭帯を、綱引きのように『大殿筋』と『大腿筋膜張筋』で引っ張りあって、安定を強固にしています。

大腿筋膜張筋は派手な働きをする筋肉でありませんが、歩行やランニング時に股関節の外旋を防いで、足をまっすぐ前に出るように導く、『安定』に重要な働きを担っており、特にランナーやアスリートは著しく発達しています。

大腿筋膜張筋のトリガーポイントは、この筋近辺に痛みをだすこともありますし、時として大腿外側から膝まで痛みを放散させることもあります。
そのためトリガーポイントによる関連痛が、股関節炎や軟骨の摩耗、ランナーに多くみられる腸脛靭帯炎(ランナー膝)と混同されることもあります。

腸脛靭帯炎と診断されると、炎症が治まるまでの休養が基本的な治療方針になりますが、アスリートにとって目途の立たない休養は不安なもの。
トリガーポイントの関連痛を疑って治療してみるのも、一計かと思います。

アスリートじゃなくても、凸凹のある道を歩く・走る、摩耗した靴を使い続ける、重い荷物を持って歩くなどで、大きな負担のかかりやすい筋肉です。
(そればかりか、ただただいつも以上にたくさん歩くだけでも意外と疲労する筋肉です)

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