気圧の変化で調子が崩れるのは、なぜ?

日々あたたかく、心地よくなっていく春。

と思ったら、一転気温が下がって肌寒さが冬に逆戻り。
だったりと、春は気候が安定しませんよね。

気温と同時に、この季節は移動性高気圧の影響で、天候も周期的に変化しやすいです。
数日お天気が続いても、長続きせず、下り坂。

雨が近づいてくると頭が痛くなる、関節が傷む、だるくなる。
そんな方も多いのではないでしょうか。
その症状、近年注目されている気象病かもしれません。
気象病で体調を崩す方は6割以上とも言われています。
(参照:日本人の6割が気圧低下で体調の変化を実感)

ではなぜ、気候の変化が体調に影響を及ぼしてしてしまうのでしょうか?

結論から言うと、自律神経の乱れが原因です。
気温や気圧や湿度など、外的変化に体内のコンディションを調整して合わせているのが自律神経。
刻々変動する外的要因に対して、体内の、例えば体温を一定に保つのに、自律神経は微妙にツマミを調整してコントロールしているようなものです。

夏や冬のように、暑いなら暑い、寒いなら寒いでおおむね一定していれば、自律神経も舵取りしやすいですが、暑さ寒さが目まぐるしく変わると、自律神経もシビアなコントロールを求められ、時に調整が乱れてしまうことがあります。

気圧の変動をイメージ化すると

言葉だけではなかなか実感が掴みづらい気圧の変動をイメージに置き換えてみると…

私たちは『大気』という空気の、いわば底、深海に暮らしています。


海の底深く暮らす深海魚を、水圧の低い水面に一気に引き上げると、周りと体内の圧力差の調整が間に合わず、胃袋が口から出てしまったりしますね。

私たちも、エレベーターで高層階へ一気に上がるときに耳がツーンとなることがありますよね?
また、山に登ったときに頭が痛くなったり、体調を崩すという話(高山病)は聞いたことがあると思います。
気圧の変動に体が追い付いていないわけですね。

一日単位で緩やかに気圧が下がっていく場合でも、自律神経が調子を崩していると調整がうまくいかず、身体的・精神的な不調につながることがあります。
それが気象病の正体です。

気象病と耳?

自律神経の不調が影響する気象病。
近年、さらに気象病には耳、『内耳』が関与しているという研究も発表されています。

内耳は耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割をしています。そして内耳には、気圧の変化を感知する場所と能力があることが明らかになりました。(2019年中部大学 佐藤教授)
これにより、大きな気圧の変化が起きると内耳から脳に情報が伝わることが判明しました。

そして、このセンサーの感度は個人差があり、感度が敏感な人は脳に過剰に情報が伝わり、自律神経のバランスが崩れて症状が出やすいのではないかと考えられています。

気象病のセルフケア

内耳が影響する気象病には、内耳への刺激が効果的です。
・耳たぶをつまんで、やさしくぐるぐる引っ張る
・耳の周辺の骨をじわっと押圧する

ほかにも、自律神経を整える基本的なこと
・十分な睡眠と栄養
・適度な運動やストレッチ
・ゆっくり入浴
・朝日をしっかり浴びる

なども、地味ながら実践する価値ありです。

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