斜角筋~肩や腕のしびれの原因~
首の問題児、斜角筋。
首を横に倒したり(側屈)、前に倒したり(屈曲)、機能は比較的簡単。
特殊な働きとしては、肋骨(胸郭)を引き上げて息を吸う補助をすること。
走った後のように肩で息をする(浅い呼吸)のが習慣になっている人、精神的に緊張しやすい人は
無意識に斜角筋を疲れさせます。
同様に風邪・喘息などの咳き込みも、斜角筋の過度な緊張を招きます。
また、リュックを背負うときなどにも補助的に作用します。
この斜角筋の一番の問題は、すぐそばを腕神経叢と鎖骨下動脈が走っていること。
そのため斜角筋が硬直すると、神経・血管が圧迫され、絞扼性(こうやくせい)神経障害を生じさせることがあります。
斜角筋症候群(胸郭出口症候群)とも呼ばれるこの障害は、腕や手の痛み・腫れ・しびれ・力の入りにくさ・といった症状を呈します。
ややこしいことに、斜角筋自体のトリガーポイントも、腕や手に関連痛を出します。
しかも斜角筋のトリガーポイントを押すと、まるで神経を圧迫されているような強い痛みが走るので、
絞扼性神経障害なのかトリガーポイント由来なのか、判別が分かりづらいという難しさがあります。
とはいえ、押圧刺激で症状が緩和されるなら、斜角筋トリガーポイントが原因と考えられるでしょう。