人類の進化の立役者・親指
人間と動物を大きく分け隔てる要素、それは、親指が他4本の指と向かい合えるかどうか。
そのおかげで人類は道具を使うだけじゃなく、道具を作り出すことが可能になり、今日に至る文明を発展させました。
(動物にも道具を作れるものもいますが、ごく初歩的です。参照:人類進化論研究室HP)
親指のおかげで知能を発達させ、高度な文明を築き上げた人類ですが、その代償として、私たちの親指は常に過酷な負荷に耐える運命を強いられています。
そんな負荷に耐えきれなくなったとき、親指の筋肉は親指近辺のみならず、時に手首にまで痛みを飛ばし、腱鞘炎を患ったかと誤認させることもあります。
親指を親指らしく動かす筋肉は4つ。そのうち『母指対立筋』を『短母指屈筋』と『短母指外転筋』が覆っていて、この3つのトリガーポイントと関連痛パターンはほぼ一致。
親指をほかの指と向き合わせる(OKサインを作る)働きをします。
そのおかげで、私たちはしっかり物を握ることが可能になります。
もう一つの『母指内転筋』は、親指を人差し指に寄せる(気を付けのときの指)動きをコントロールします。
日常生活において親指はありとあらゆる場面、たとえばパソコン、書き物、スマホ、炊事・洗濯・掃除などの家事、楽器演奏や絵画など、自転車・バイク・車の運転で、他の4指と向き合ったり、あるいは強く握りこまれることを強いられており、親指の筋肉は負担から逃れられません。
限界を迎えた筋肉は、やがて下図のような部位に痛みというSOSサインを発します。
このトリガーポイント(筋肉の硬結)は、『合谷(ごうこく)』というツボと場所が一致します。
ためしに刺激してみてください。ほぼ皆さん、痛気持ちいい刺激感を感じると思います。
そうそう、目いっぱい手をパーに拡げきることできますか?
意外と母指球(親指の付け根)に突っ張りや痛さを感じて拡げきれないかた、少なくないですよ。
握るの逆の動き拡げるは、母指球の筋肉の有効なストレッチ。
ぜひやってみてください。